
森田千晶 和紙制作
クラウドファンディング
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和紙づくりと和紙が創る世界をこれからも
森田千晶の和紙制作
1300年以上にわたる手漉き和紙の伝統を誇る埼玉県小川町。森田千晶の和紙制作は、古くから続くこの土地の和紙製作所からはじまりました。8年間の修業を経て、隣町にあたる地元 坂戸に作家仲間と構えた工房『線路脇』を拠点にして、独自の作品づくりを続けています。
工房の敷地には、和紙の原料となる楮(こうぞ)の木々が生い茂り、育てる木々の<いのち>のなかに、森田の作品は芽吹いています。
毎年、一年のはじまりに仲間たちに声をかけ、冬の高い空の下、落葉した楮の枝を刈り取り、枝を束ねて釜で蒸し、専用の道具を使って鬼皮と呼ばれる固い樹皮を剥します。数日間にわたって繰り返されるこの工程は「かしき」と呼ばれ、ひとつの季節行事となっています。
楮の生命力はたいへん強く、和紙の素材のなかでも、特に繊維が太く長く強靱です。その性質は障子紙、表具洋紙、奉書紙など、幅広い用途に生かされ、私たちの暮らしを支えてきました。こうした楮を原料とする小川町の「細川紙」は、2014年に世界遺産に登録され、未来へ継ぐべきものとしてその価値は再発見されつつあります。
和紙を通して
感性の受け取る感覚をひとつのモチーフに落としつつ、自然の<はたらき>をおおらかに迎え入れて生まれる森田千晶の作品は、生命の宿す躍動感と霊性が醸す静謐さをあわせもち、「生と死」を境なく包む "あわい光" のようでもあります。
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風に茂る楮の姿は、凍える水に手をさらし、楮を剥ぎ、"ねり"を掻き、全身を使って和紙を漉く人々の日々の姿であり、食材を育て、採取し、煮炊きしていただく人々の日々の姿でもある–––
たくましく地に根を下ろし、しなやかに枝葉を広げ天を仰ぐ、固有で無数の<いのち>がそれぞれに描く、ひとつの線。
万物に神が宿るとされる、日本古来の精神性が生み出す「手しごと」は、輪郭を得たもののみならず、原料となる素材の<いのち>、工夫をこらす手の<いのち>、かかる工程を受けとめる時空間・風土のすべてが神聖であり、素材の芽吹く瞬間から、使い手が作品を扱う仕草まで、すべてが<神事|かみごと>と言えるかもしれません。
私たちの暮らしの姿が変わりゆくなか、<いのち>の宿る然るべき時空から紡ぎ出される手しごとは、私たちみずからの<いのち>を掬い、浄め、過去〜未来へと美しい光をそそぐものと信じます。
2022年秋 長野飯山で迎える『紙宮』展
国内外から日本の和紙文化に関心が寄られるなか、和紙の産地、信州は飯山の地にご縁をいただき、2022年秋、飯山市美術館にて森田千晶の企画展を開催する運びとなりました。
今回の展示には、2006年に飯山市で開催された「和紙のしごと大賞コンペティション」で大賞を受賞した森田の作品と共に、地元和紙保存会の方々と共同制作した和紙の層が、訪れる人を『紙宮』へと誘います。
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2022年9月3日(土)-11月20日(日)
和紙作家 森田千晶 展
飯山市美術館
長野県飯山市大字飯山1436番地1
TEL/FAX 0269-62-1501
交通:北陸新幹線飯山駅下車徒歩約10分
※新幹線で東京駅から飯山駅まで最速1時間40分/長野駅から12分
ご協力のお願い
風土に根付く文化を、言語や地域を超えて人々に伝えるため、また、明日へと繋がる継続的な制作を行うため、森田の取り組みを応援下さる皆さまのご支援をいただきたく、サポートチームを事務局としてクラウドファンディングを行います。
多様なかたちをもって、ここに関与下さるみなさまの他、遠く近くより思い寄せて下さるみなさまへ、心より感謝申し上げます。
すべての私たちの日々の暮らしが
すべての私たちの豊かな創造により 満たされますよう